歌で覚えるフランス語6 「お魚さん」(グレコ)

ジュリエット・グレコは「サンジェルマン・デ・プレの黒い女王」という異名をとった歌手ですが、それでも時々、おとぎ話のような軽い歌をシニカルに歌っています。これも、そんな歌のひとつです。お魚さんと小鳥ちゃん(あるいはお魚ちゃんと小鳥さん、かも)が恋をします。でも、究極の「遠距離恋愛」?、空と海では恋もままならない、というわけで・・・

Un petit poisson, un petit oiseau
お魚と小鳥が・・petitは「小さい」というより愛称でしょうね。
S'aimaient d'amour tendre
動詞はこっち、愛し合ってます、優しい愛で・・というのはプラトニックな感じです。そりゃそうでしょうね。
Mais comment s'y prendre
でも、どうしよう・・本来のニュアンスは、どうやって行動しよう、ですが、なんか露骨なんで、ぼかします。
Quand on est dans l'eau
水の中にいるんだから、という感じです。ここにonを使うのは面白いですね。私たち、の意味でもないし、人間一般でもない。魚は、という意味。
Un petit poisson, un petit oiseau
S'aimaient d'amour tendre
Mais comment s'y prendre
(3行同上)
Quand on est là-haut
今度は鳥のほうの立場です、高いところにいるんだから。
Perdus aux creux des nuages
これ、意味があいまいだったんですが、歌ってるグレコのジェスチャーが雲をかき分けてましたから、雲間に隠れて、みたいな意味ですね。
On regarde en bas pour voir
鳥が下を見るわけです、で見えるのは・・
Son amour qui nage
恋人のお魚が泳いでるとこなわけですよ。
Et l'on voudrait bien changer
だもんだから、鳥は取り替えたいって思うわけです。以下「〜を〜に替える」changer...en....で3行並び。
Ses ailes en nageoires
まずは、翼を魚のヒレに、
Les arbres en plongeoir
木を飛び込み台に、ってことは飛び込んで泳ぐ気?
Le ciel en baignoire
かと思ったら、空を「浴槽」?、ってこれがシャレっ気ところなのかな?ふつう「海」とか「池」ってなるところなんですがね。まあ、-oir(e)で韻を踏もうと思ったら水っ気のある単語がこれしかなかったんでしょうね。