菜食主義をめぐって

 ヨーガの仲間の間で、とりわけ女性たちが先生に影響されてなのだが、菜食主義が流行している。菜食主義にもいろいろあって、先生は「肉絶ち」タイプだが、同業の仲間には肉も魚も食べない「植物のみ」というもっと過激な人もいるらしい。ところでいずれの場合にも乳製品をどう扱うかが議論になるらしい。牛から出たものは肉と同じと考える人もいれば、命を奪うわけではないから、と禁に含めない人もいる。
で、先日はグループに数人いる中年男性で、なんとなくオレたちもやってみようかという話になった。40歳を過ぎても、若いときと同じように食べているのは体に悪いという認識は共有した。が、ひたすら植物だけというのはキツイ。議論するうちに、乳製品は許容する、魚も許容する、というふうに、どんどんハードルが下がっていって、最終的には哺乳類は食べない、という大甘の基準で合意した。鶏肉など「2本足族」も逆転勝訴で認定された。しかも、ギョーザや麻婆豆腐のように少量混入する「4本足族」の挽肉も、社会常識として許容されることになった。よし、「非哺乳類」だな、と結論が出たところでさらに一押し、「脱哺乳類」というネーミングになった。「脱なんとか」というのが最近は運動っぽくって良いということだった。