遺伝子をめぐる一日

 ものすごく話したくてたまらないのだけれど、家庭の食卓の話題にふさわしいとは思えないのでここに書く。じつは今日はじめて、ニューハーフを目撃したのだ。今どき珍しくもないとおっしゃるのは分かる。しかしどこで見たかが問題なのだ。場所は都内のとある健康ランドの浴場内、つまり上半身は女性、下半身は男性という人を、いきなりその表現そのものの姿で見るという体験をしたのである。世の中にはそういうのを見慣れている人もいるだろうけれど、私はけっしてそうではないのでいささかショッキングですらあった。
 世の中の流れは性の基準を身体から精神へと移しつつある。セックスからジェンダーへの転換はいまさら言うまでもない。が、浴場などではその基準は通用しない。気持ちはもとより、身のこなしや胸、体のラインが見事に女性であっても、下がついていればこちら、そうでなければあちらというわけだ。
 そうか、そういう人もこういう場所に来る。しかも自らの意思で来るわけだから、こちらが覚悟していればいいだけの話だ。それにしても、快楽なのか?羞恥心はあるのか?それは当事者でなければ分からない。
 暑い一日だったので家人が安いスーパで缶チューハイを買ってきた。あまりに安いので出処をさぐっていたらどうやら遺伝子組み換えのとうもろこしを使用しているらしい。こちらの遺伝子の問題は許容できない。作る側に羞恥心はないのか糾したい。