0010 歌「彼は孤独に旅をする」

Il Voyage En Solitaire
par Gérard Manset

  ジェラール・マンセという人は歌手としてだけではなく、写真家、画家さらには作家としても仕事をした人です。マルチ型の才能の持ち主だったようです。70年代のはじめには、この歌のようなフォークソングを歌っていますが、後には歌謡曲の色合いが濃い歌を歌うようになりました。この歌「彼は孤独に旅をする」は「大地を歌う」というテーマを繰り返します。68年の学生運動が一段落して、敗北感が漂う時代の空気を感じさせてくれます。日本の全共闘世代と共通した思想でしょうか、街を捨てて農耕生活を送るようなメッセージが込められているようです。

Il voyage en solitaire
彼は孤独に旅をする
Et nul ne l'oblige à se taire.
彼を黙らせるものはなにもない
Il chante la terre.
彼は大地を歌う
Il chante la terre
彼は大地を歌う

Et c'est une vie sans mystère
神秘のない人生だ
Qui se passe de commentaires.
コメントを必要としない人生だ
Pendant des journées entières,
一日中
Il chante la terre.
彼は大地を歌う

Mais il est seul.
でも彼はひとり
Un jour,
かつて
L'amour
愛が
L'a quitté, s'en est allé
去った、行ってしまった
Faire un tour de l'autre côté
反対側へひとまわり
D'une ville où y'avait pas de place
とどまる場所のない
Pour se garer.
町から
(以下省略)