ワインを読む 2 Dégustations 1001より

Châteauneuf-du-Pape, Cuvée du Vatican, "Réserve Sixtine", 2008
 すばらしい黄金色の外観にたちどころに惹きつけられる。その魅力はレモンやマンゴーの香りのなかを漂う、かすかなアニスの香りに引き継がれていく。繊細で長い後味のワインであり、かなり余韻のあるしっかりとした心地よさが口いっぱいに広がる。傑作ワインだと言って間違いない。ホワイトソースをかけた魚料理、あるいはこのワインだけでも魅力が味わえる。
 3年以内に飲むべし。食前酒としても良いし、料理と合わせるならば、ホタテ貝、白ワイン入りバターソースをかけた川魚、鶏肉のクリーム煮。

Côtes du Rhône Villages Cairanne, Domaine Galuval, "Petit Coeur", 2006
 ああ、この愛すべき、トリュフ、きのこ、動物の皮の香り。しかも、それがかすかなバニラとカンゾウの香りで和らげられている。アタックは豊かで、やや焼いたようなピーマンの味が溶けている。繊細でフルーツに合う、とても良質なブルグイユ(銘柄名)である。飲めば礼儀正しい、しかし気さくな大人になれそう。
 長期保存可能。料理には豚のロースト、クロタン・ドゥ・シャヴィニョル(チーズ)、魚の切り身のホイル焼き。

Hermitage, Gambert de Loche, 2005
 この銘柄の名を高らしむるワインであり、また近隣の名だたる銘柄にとっても名誉なワインである。乾燥バナナの香りに、かすかなバニラの香り。全体にスパイシーなニュアンスがとても雄弁である。アタックはアーモンドの味。それからおもむろにビロードのようなフルーツの果肉の味がひろがり、後味も濃厚である。すばらしいワインだ。
 長期保存可能である。合わせるにはカマンベール、のろ鹿の煮込み。